「キャリアをデザインする」ってどういうことなのか、
まずは私たち自身が改めて学ぼう!と、連続開催している本勉強会。

書籍からの学び + 参加者同士のディスカッションによる学びの分かち合いを行っています。
(*前回の開催報告はこちら

2018年2月9日(金)実施の第5回は、前回に引き続き
『働くひとのためのキャリア・デザイン』金井壽宏著, 2002年, PHP新書
を取り上げました。

今回は第4-6章について読み進めました。
第4章 最初の大きな節目-就職時と入社直後の適応
第5章 節目ごとの生涯キャリア発達課題
第6章 元気よくキャリアを歩むために

 

書籍の中では、生涯のキャリアの中での大きな節目を、
ヤング・ミドル・シニア期に大きく分けて、
それぞれの時期にどのような「節目」があり、そこをうまく乗り越えるためには
何が必要なのか、これまでの調査研究で明らかになっている事象が整理されています。
「ヤング期のリアリティ・ショック」
「元気なミドルと疲れたミドルの二極分化」
などなど、身近かつ刺さる話がたくさん!
ソーシャルセクターに特有の課題はあるのか?ということについても議論しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼当日のレジュメ
GRASS勉強会(5)レジュメ180209用修正

 

【書籍からの主な学び】

第4章 最初の大きな節目-就職時と入社直後の適応

■「就職」という節目について
学生側へ:
・同時期での新卒一括採用により、就職は「節目」だという意識が低い
→後知恵でもよいので、その会社に入ったことに対する自分にとっての意味を考え直してほしい

・入社前のイメージと実際の様子が異なると、新人はショックを受ける(リアリティ・ショック)。
その後のトランジション・サイクルの立ち上がりが遅れる。
→きちんと現実を見極めたうえで選択することが重要。

会社の採用担当者へ:
・仕事の良い面・悪い面をきちんと見せた上での採用活動(RJP-Realistic Job Preview:
リアリズムに基づく事前の職務情報)を行っているか?
→個人が自己決定できる信頼ある情報を提供することが重要。

 

第5章 節目ごとの生涯キャリア発達課題

■生涯発達という視点
・人は、いくつになっても成長する。
・ひとの生涯発達は安定期と移行期から成るサイクルを形成している。
・各発達段階で、発達課題がある。
(例)
青年期:自分とは何者かを深く問いかける「アイデンティティの危機」
中年期:「生殖性」もしくは「世代性(generativity)」
自分にも意味があり、若い世代を育むのに役立つ仕事ができているかが問われる。

 

■ヤングのキャリア発達課題
・まずは、リアリティ・ショックとどう向き合うか
・2~3年経過してからの「通過儀礼(イニシエーション)」
「1:仲間として認められること(グループ・イニシエーション)」、
「2:仕事面で貢献できること(タスク・イニシエーション)」
・最初の上司との関係性も鍵
・よいガマンとわるいガマンがある。20代のころは「なんでも試す」時期。
しかし、「最低必要努力量」もある

・「キャリア・ミスト」…特に、30歳という節目の時期の課題
*なんとなく先が見えない焦燥感
*どこということもない「どんづまり感」
*望みの仕事に就けたが、全部見えてしまって希望も消えてしまった
→「霧がかかったらメンターを探せ」

 

■ミドルのキャリア発達課題
・ミドル:40歳~45歳が中年への過渡期
・「キャリア・プラトー」に至る時期でもある
(キャリア中期で、踊り場ならまだしも、高原地帯に達してしまってそこを越えられないこと)。
・人生を逆算し、夢を持つことが重要
・元気なミドルと疲れたミドルの二極分化
→*詳細はぜひレジュメ参照!
ミドルで差が出るポイント:下記4つの点でうまく折り合い、バランスをつけること。

[レビンソンによる(特に男性ミドルの)4つの発達課題]
(35歳~45歳までの40名の男性の詳細な生活史を調べた上での結果)

 

■シニアの発達課題
・自分の歩みを自己肯定できるか
・いくつになっても大切なこと
*さらに一皮むけること
*自分探しを続けていっそう自分らしく生きること
*夢を持つこと

<中年期以降のキャリアのまとめ>

いったん確立したと思っていた自己イメージを軌道修正しながら、新たなアイデンティティを探求しなおす時期。自分探しは中年になっても続く。夢の現実吟味(reality-testing of dreams)が自分探しに可能性という軸を授ける。(p.250)

 

第6章 元気よくキャリアを歩むために

・夢の現実吟味とアクションが必要
・どのようにして現在が「節目」であると気づくのか?
(1)何らかの危機感・どん詰まり感覚
(2)その種の節目を先にくぐってきたメンターの声
(3)ゆとり・楽しさ
(4)カレンダー・年齢的な目印/異動・昇進等の仕事上の区切り
大きな節目に差し掛かっているのに、立ち止まらずに通ってしまうのは危ういこと。
「疑わしきは節目」と思うようにすべき(p.262)。

・自分にとって何が「いいキャリアを歩む」ということかの方向感を持つ
・21世紀型の組織(オープン・ネットワーク型経営)の中でのキャリア課題を知っておく
・「仕事の中の精神性(スピリチュアリティ)」
仕事において、自分の人生の目的との関連から、崇高なもの・志を自問する

【ディスカッションから】

■エンプロイアビリティとポータブルスキル
自分の「エンプロイアビリティ」「ポータブルスキル」でここが強い!ものって何?

 【キャリア基礎力】
◇対人能力ー親和力、協働力、統率力
【対自己能力】
◇感情制御力ー自信創出力、行動持続力
【対課題能力】
◇課題発見力、計画立案力、実践力
処理力
思考力

■NPOのような働き方を続けていく中で高まっていくスキルってある?

・30歳前後で「継承性」を持っていないとダメなのではないか。
ソーシャルセクターだと、この本に書いてある継承性の世代では遅すぎる。
サイクルを早くしないと。
社会情勢の変化のほうが早い。形式知化を早めて、次の課題にいかないと。
社会課題の進化に合わせて自分も進化していかないと。

・ロールモデルが不在で自分の役割もどんどん変化していく。
実は節目は多いが、それを認識していないと、自分の学び・成長にすることができない。

・人材採用の時には、スキル優先でなく「ビジョンの一致」を優先する、という方向性
を誤ってはいけない。が、その一致の度合いを最初に確認するのは難しい。

・「この時代を生き抜くためには学び続けないといけない。」
(by 東京大学中原淳先生
いいラーニングスパイラルの中に自分をおかないと。
何を学ぶかというのは、そのフェーズことに変えていくことが大事。

今後は「学び」をどう習慣化するか、自己成長をどう促すか、というテーマで勉強会を続けたい。

(文責:星野)